KO寸前のデビュー戦
2008年とか9年とかそのくらいやと思う、俺のホロ苦い風俗デビュー戦の夜の話。
風俗やナンパや合コン、素晴らしい夜がある。反対に失敗して落ち込む夜もあるじゃないですか?理由は人それぞれやけど。
その日、俺は地元から遊びに来た友人と吉祥寺で飲んでいた。まだ学生の頃。友人は初めから風俗に行くつもりで、どこがえぇ?とか聞かれた風俗未経験の俺は自宅から近く大きな街の吉祥寺ならあるよなくらいの知識で吉祥寺集合にした。ただ、吉祥寺のどこに風俗店があるのかは知らんかった。
いわゆるホテヘルってやつで、受付で写真を見せてもらい、細身のギャル系の子を選ぶ。数分後に出てきた、昔ヤンキー今はギャルみたいな小柄な彼女と手をつなぎ近くのボロめのラブホへ。
どーでも良いけど、ハタチそこそこで性に対してかっこつけていた当時の俺は彼女と手をつないでホテルへ向かう途中に周辺のキャバのキャッチとかから会釈されるんがめっちゃ恥ずかしかった、なんかこれからこの子とエロいことしますよって街中に宣言して歩いてるみたいで。まぁその通りなんやけど。
後に、この俺のかっこつけてる感じが二人のコミュニケーションを邪魔し、今回のメイクラブをホロ苦いものにする、、、
ホテルに入り脱衣からのシャワー。出会ってからここまでの会話で彼女はそんなに愛想が良いタイプでは無かった。
「風俗って初めてやねん。」
「この仕事始めてどれくらい?」
「入れるん無しのフェラまでやんな?」
どーでも良い風俗普段は行きませんアピールをかっこつけてする俺、ダサい。風俗に対する並々ならぬ興味と興奮と緊張とで舞い上がっていた。かっこつけてるが洗ってもらうチンポはビンビンに勃起させられている。
それに面倒くさそうに返答する愛想の良くない彼女、全然噛み合わない。そして俺をKO寸前まで追い込む一撃が繰り出される。
面倒くさそうにだが頑張って話しかけてくれる彼女、声が小さくシャワーの音で聞こえない、「えっ?」と聞き返す。そのとき。
「チッ。なめてんなお前。」
聞こえるか聞こえんかみたいな、めっちゃ小さい声でボソっと彼女が呟く。たぶん彼女は聞こえてないと思ってるんだろう、そのまま洗体を続ける。俺も聞いてないフリをする。だが、その時点で内心やられでいた、なんかごめんなさいみたいな、情けないけど。元ヤンやろーという疑惑が確信に変わった瞬間やった。
ベッドに移りサービスが始まるもさっきの出来事を引きずる俺。彼女は一通りしっかりとサービスしてくれる。フェラ、パイズリ、手コキ。どれが気持ち良いか、何でイキたいかも聞いてくれ、最後はパイズリとフェラの合わせ技で口に出す。
服を着て帰るまで俺は内心沈んだままだった。これの何が楽しいんだろう、素人の方がよっぽど良くないか?そんな風に思って、俺の風俗デビューは終わった。
まぁこの後何度か経験して風俗の楽しさとか分かってくるんやけどな。今となっては、たぶん愛想がちょっと良くない方なだけでサービスは悪くない子だったように思う。
俺の姿勢と余裕の無さからなんとも言えない気持ちになってしまった、そんな夜やった。